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JR岡山駅北側の自転車レーン

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山陽新聞2011年12月6日

JR岡山駅北側の片側車線に160mの自転車レーン(自転車専用通行帯)を設け、12月5日から社会実験がスタートしました。この社会実験を始めると同時に自転車レーンの両端に警備員を一人ずつ配備していましたが、警備員に誘導ミスがあったことが新聞で取り上げられていました。
この警備員は南行きに向かって走ってきた人に自転車レーンを通るように右側走行を誘導し、そのことで自転車に交差通行をさせることになっていました。これが道路交通法違反であり、誘導ミスをしたということです。岡山市側は、「警備会社への徹底不足だった」とコメントしています。
道路交通法では、自転車レーンは一方通行ということになっています。警備員は指摘を受けてから、南に向かってきた自転車に、この自転車レーンと平行する自転車通行可の歩道へ案内していました。しかし、本来は車道の反対側へ誘導し、車道の左側通行を案内すべきでした。


そもそもこの自転車レーンの社会実験には、3つの問題があると考えます。
1)    自転車のルールを、周辺の自転車利用者や市民に広報していない。
2)    自転車レーンは片側だけでなく、車道の両側に設置すべき。
3)    自転車レーンの幅が狭い個所がある。


まず1は、多くの市民は自転車が車両で、車道の左側を通ることが原則だということを認識している人はまだまだ多くはないということです。配置された警備員が知らなかったのですから。もしかすると、警備員を配置させた岡山市の担当者にも知らなかった人がいたのかもしれません。この交通ルールの啓蒙はすぐにでも取りかかれることで、多くの予算は不要です。警察をはじめ、自転車の関連団体と協力しながら取り組めます。早ければ早いほど効果がでてきます。例えば、コミュニテーサイクルの実施と同時に取り組むことはできたはずですし、今からでも始められます。もっといえば、「自転車先進都市おかやま」を目指すのであれば、まず最初にやるべきことも思います。自転車のルールの認識は自転車に乗る人だけでなく、歩行者にも、クルマのドライバーにも認識してもらわなければなりません。一人の人間が歩道を歩き、自転車にも乗り、クルマのドライバーにもなるのですから。


2の「車道の自転車レーンは両側に」というのは、「自転車は車両であり車道の左側が原則」というのが交通ルールなのですから当然のことです。車道の左側のみに自転車レーンがあって、反対側は歩道だけというのは不自然なことです。この社会実験で、ルールを知らない警備員は自転車レーンを逆走させる誘導し、注意されてからは逆送して来た自転車を歩道へ誘導しました。ここは本来なら、反対側に設けられた自転車レーンに誘導し、「自転車は車道の左側を走ることになっているんですよ。それが交通ルールですよ」と言葉を添えればルールを伝えることにもなったのです。
現在、岡山市内には約8kmの自転車レーンが設けられています。そのうち、県庁通りとあくら通り、西川筋に設けられているものは、一方通行の道路に設けられています。岡山駅前の車道の片側のみに約400mの自転車レーンが設けられていました。これに今回、160mの自転車レーンを延長させ、社会実験としたのです。この駅前の道路の両側に自転車レーンを設置するのは、反対側にタクシーの待合所があり、ここに自転車レーンを引くことに抵抗があったのかもしれません。しかし、今回の160mには、東側に引くことができたのではないでしょうか。両側に自転車レーンを引ける車道に引いてほしいものです。ちなみに、岡山県下ではJR高梁駅前の道路には両側に自転車レーンを設けています。


3はここの自転車レーンの幅は、始まりの部分(南側)の幅が90㎝で最短、最長は北端の1.65mです。自転車レーンは1.5m以上が推奨で、国内の他市で社会実験として自転車レーンを設ける場合は約1.5mで実施しているところが多いようです。さらに海外では、例えばイギリスではレーン幅が2mと定めています。1.5m以上あれば、転倒しても自動車にひかれる可能性は小さいということを理由にしているようです。アメリカのシカゴでは、道路全幅に対応してレーン幅は、1.5m、1.7mおよび1.8mの3種類を定めているようです。
今回の自転車レーンは、車道に引かれた白線はそのままに青い線を引いています。車道の白線を引き直すことを社会「実験」の段階でやっておきべきでした。今後、自転車レーンを延長していくときに、自転車レーンの幅と車道の幅をどう調整するか、必ず突き当たる問題になるはずです。自転車レーンの幅と車道の幅についての方針が必要ではないでしょうか。


さらに、「社会実験」というにはあまりにも規模の小さい実験ではないでしょうか。既存の自転車レーンを設置した実験の成果はなんだったのでしょう。自転車レーンの距離や設置場所などをもう少し大々的にやれば、「自転車先進都市」に向けた取り組みをしていることやルールの啓蒙について大きくアピールできる機会になったはずです。
来年からは「自転車先進都市おかやま」の実現に向けて施策を加速化させてほしいものです。